アプリ3,000万DL突破!ABEMAに問われる「企画力」

2018年5月31日ABEMA-TOPIC

2016年の開局以来、わずか2年でアプリのダウンロード数が3,000万を突破したABEMA。開局1か月で100万DLを越え、毎月100万以上増える勢いで、24ヶ月で3,000万を達成。アプリのダウンロードの数字なので、WEB版の利用数も加えれば、ABEMAはインターネットテレビとして十分浸透したといってもいいでしょう。ABEMAの月間利用数(Google Analyticsで計測された1ヵ月あたりの利用者数)は、2018年に入ってからおおむね1,100万。アプリ視聴数とWEB視聴数の相殺性はわかりませんが、利用者は確実に増えている状況です。右肩上がりに利用者が増えているということは、どこかで純増数の停滞がやってきます。その時までに何ができるのかが、ABEMAの寿命に関わってくると考えています。

先行投資で育てるべきは「企画力」

ABEMA拡大の背景には、運営側の「先行投資」意識があります。「先行投資」の資金は広告事業とゲーム事業からもたらされているものです。広告事業とゲーム事業が好調なので、ABEMAに投資する資金があるわけですが、いずれはABEMA自身が利益をあげられるようにならなければなりません。額は減少していても、損益が計上されてしまっているのは確かですから。

ABEMAの発表には、「テレビ視聴時間の減少」「ABEMAがソニー4Kブラビア®対応リモコンに登場」「Fire TV Stick プレゼント」というものがあります。テレビを意識した発表を聞くと、「ABEMAはテレビになりたいのだな」と感じます。テレビ視聴習慣のないインターネット慣れした若者がABEMAのキーターゲットです。ABEMAはかつてのテレビのようなマスメディアになれるでしょうか。ポイントは「企画力」になるでしょう。

テレビが家庭のエンターテイメントとして影を薄くしたのには、次のプロセスがありました。

テレビがおもしろくなくなったから、テレビを見なくなった。テレビよりゲームやインターネットの方がおもしろいから、ゲームやインターネットで遊ぶ。

ゲームやインターネットよりもおもしろくなければ、テレビは見てもらえない、ということです。

ABEMAがテレビを目指すなら、ゲームやインターネットよりもおもしろくなければなりません。ABEMAは「テレビ」で視聴するものではなく「インターネット」で視聴するものなので、準備はできています。一軒の家に1、2台しかないテレビで勝負を挑むより、ひとりひとりが独自のネットワークを持つインターネットで勝負を挑む方が、時代に合っています。問題はコンテンツです。

ドラマ、バラエティー、恋愛リアリティショウ——、ABEMAが力を入れるコンテンツは、かつてテレビが得意として、そして衰退したコンテンツです。プロが、セミプロが、テコ入れに躍起になって、それでも衰退したコンテンツです。それを「インターネットでやってみよう」と拾ったところで、再び輝かせることはできるのでしょうか。

ABEMAは無料ですが、無料というだけでもう人は群がりません。「テレビ」は今も無料ですが、苦労の汗を流しています。おもしろいものを作るのはハードルの高い作業なのです。その難関を突破する跳躍力は、資金では勝ち得ません。ABEMAが「先行投資」していくべきは、「企画力」だと考えます。過去の実績のあるものを採掘していてはいけない。それでは「先行投資」ではなくなる。頭を悩ます力を、やっと絞り出てきた1滴のアイディアを、実現させる力が必要です。

オリジナルのバラエティ番組で、出演者に任せきりの企画や、視聴者にアイディアを呼びかける企画をしていては、「企画力」は育ちません。ABEMAブランドの企画を立ち上げて、視聴者を驚かせてください。「先行投資」の果てが、「出演者と視聴者が秀逸だった」という思い出話が残るだけでは、投資も泡に消えます。

「インターネットテレビ」という未知の分野につっこんだ心意気で、企画を、企画者を、育てて、失敗と成功を踏みしめて、驚きの変化を見せてください。誰も見たことがないものは、変化に変化を掛け合わせて生まれるものです。テレビが嫌った、「インターネットだからやってもいいか」という企画は先が見えます。「先行投資」の結果を期待しています。

アプリダウンロード3,000万突破と、2018年9月期決算と、ABEMAを見ていて考えたことでした。